イメージ 財産分与の決め方

協議離婚における合意事項のひとつ、財産分与についてその請求の仕方や注意点を解説しています。

1.財産分与の対象となるもの
2.財産分与の仕方(割合)
3.財産分与にかかる税金
4.ローン残高のある不動産の財産分与
5.離婚後に財産分与を請求する方法

財産分与の対象となるもの

財産分与の対象となるものは、婚姻中に夫婦が協力して取得し築き上げた財産です。この協力には、専業主婦の家事労働や家業への従事が含まれます。財産の種類や名義が夫婦のどちらにあるかは関係ありません。

下記が財産分与の対象となる主なものです。
  • 不動産の所有権・賃借権
  • 住宅ローンなどの負債
  • 自動車
  • 保険金・保険返戻金
  • 株券・国債などの有価証券
  • 退職金(近い将来支給されるものを含む)

婚姻前から所有していた財産、相続により取得した財産や競馬での借金などは、配偶者の固有財産・負債であり財産分与の対象から外れます。但し強制執行の際に狙いの付けやすい財産ですので、口座などの把握は大切です。

財産分与の仕方(割合)

財産分与割合2分の1が一般的
相手方と合意すれば財産の全部を受取ることも可能ですが、一般的には、双方会社員の場合・会社員と専業主婦のご夫婦の場合、財産の50%を分与するとの取決めが多いようです。

財産分与財産形成の寄与度も加味する
家業や専門職の配偶者を支える形で、夫婦の財産形成に協力してきた場合には、その寄与した割合により財産分与がなされています。財産が会社名義であっても、財産分与の対象であるとした裁判例があります。

財産分与にかかる税金

離婚後に行なう財産分与(名義変更)に対しては、贈与税はかかりません。しかし以下のような別種の税金が課税される場合がありますので、納税の準備が必要です。

名義変更に伴う税金名義変更による登録免許税
離婚後、不動産の名義変更を行なう場合には、その手続きの過程で法務局への登録免許税の納入が必要となります。高額なためこの負担割合についても、合意しておくことが大切です。

固定資産評価額 × 2% (20/1000)

3,000万円の不動産の財産分与を受ける際には、60万円の登録免許税を支払うこととなります。

不動産取得税不動産取得税
住宅の財産分与を受ける側に、固定資産評価額の3%が不動産取得税として課税されますが、控除などにより税額がゼロとなる方もいますので、事前に都府県税事務所で確認しておくと安心です。

譲与所得税譲与所得税
財産分与をした時点で、その財産を取得した時点よりも財産価額が上昇しているときにその差額利益に対して課税されるものです。納税義務者は、その分与をした者ですので不動産等の財産分与をした側に所得税・住民税がかかってきます。(3,000万円の控除があります。)

ローン残高のある不動産の財産分与

現在の不動産市況を考えると、多くの方がオーバーローンの状態となっていて、売却をして清算する方法はなかなか取れないと思います。財産分与が可能な状態にあり、不動産を売却しないで財産分与を行なう方法として以下のようなものがあります。

  • 名義を自分に移し、ローンを引き継ぐ(但し債権者との調整が必要です)
  • 賃借権または使用貸借権を得て、引き続き住み続ける(  〃  )
  • 名義を自分に移し、相手方の持分相当額として預金など他の財産を渡す(  〃  )

*住居の使用者や家・ローンの名義人の変更、保証人の変更には、銀行・ローン会社など債権者との話合いが必要になり、勝手な処分を行なうことはできません。

離婚後に財産分与を請求する方法

財産分与有責配偶者からも請求可能
離婚した後においても、2年間は財産分与を請求できます。もっとも相手方が話し合いに応じれば2年を過ぎていても財産分与は可能です。夫婦の共同財産の清算ですので、有責配偶者からの請求もできます。

財産分与調停話合いがつかなければ調停へ
しかし離婚の後では、なかなかスムーズに話合いがつかず、調停を申し立てて請求する場面が想定されます。その場合は、離婚後2年以内に請求することが必要になります。この期間については、時効の中断のような繰り延べができません。

清算条項清算条項にご注意ください
なお、離婚協議において「当事者双方、今後一切の財産的請求をしない」「双方互いに債権債務はない」などの取決めをしていた場合には、財産分与が認められない可能性があります。

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